心の旅・遠くへ行きたい 1

アクセスカウンタ

zoom RSS 五箇山旅紀行 その3 五箇山に咲いた恋

<<   作成日時 : 2005/09/08 23:18   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 4

画像
奥さんは五箇山の生まれですかと聞いてみる
初めは照れくさいのか笑っておられたが、少しずつ聞き出しました。
どこから来たのですか?
どうしてこの村に来たの?
いつ頃来たの?
囲炉裏の岩魚を焼きながら、奥さんが少しずつ語ってくれました。
それはなんと想像絶するような大ロマン、五箇山に咲いた恋の始まりだった。

生まれは福岡県、始めて五箇山に来たのは今から25年前の2月11日。
福岡を夜行寝台に乗って大阪まで、そこから北陸線で高岡に着いたのは朝の10時頃。

その頃は今のように1年を通してのバスの便もなく、冬場になるとバスは高岡から小牧までしか走っていなかった。
小牧から庄川を船で大牧の上流まで乗り、今度は小さな船に乗り代えて十八谷まで、そこから村営バスに乗って下梨の村に着きます。

村営バスもここまででしかなく、あとは歩いて山を登ること三十分、昼過ぎにようやく相倉に到着だった。
その年の2月も大変な大雪、若い娘二人(姉さんとご一緒)が民宿案内所に現れ、今夜の宿の場所を尋ねました。
事前に予約電話をしたおりに、取りあえず村に着いたら民宿案内所に来て下さいとのことでした。

普通だったら、どこそこの民宿にお泊まり下さいと言うはず。
当時の五箇山は冬場には観光客が来なかった。
こんな大雪の中、二人が本当に来るかどうかも怪しいと思ったのかなあ。
冬場の五箇山はお客さんもほとんど来ないだろう、二人が来てから何処に泊めるか決めたらよい!

なんてのんびりしたところでしょうか。
大雪のなかをやってきた娘さん二人。
だけど何処の民宿も休んでいる。
その中で唯一常連客が来る日だったのが民宿「与茂四郎」さん。
二人が民宿案内書に現れたので、この二人も一緒に面倒見て欲しいとの連絡があったようです。

村で唯一、お客様が来る民宿があったことが二人には幸いしました。
二人ではなく一人にとっては生涯忘れることのない日でした。
当時は泊まり客があると、下梨まで行って魚等を買い出しします。
車があるなら直ぐですが車がないと往復1時間。
荷物を担いでの1時間の山登りはきついですよ。

大雪の中を五箇山にやってきた娘さんをこのまま帰すのが可哀想だったのか、それともあわよくばどちらかを我が息子の嫁にしようとしたのか、赤い糸を結ばせた亡くなったお父さんの言葉が聞けないのは残念だけど、今なお元気なお婆ちゃんの(80才)の言葉を借りるなら雪の怖さも知らない女だったようです。

二人が知り合うきっかけは何だったのでしょうか。
これだけは言葉を濁して教えようとしませんでしたが、それでも少しずつ語ってくれました。

当時彼は民宿の仕事ではなく、昼間は町に出て夜には帰っていた。
彼も囲炉裏の火の世話をしながら、若い二人と話し込んだのは想像出来ます。
始めての五箇山で二晩泊まって福岡に帰りました。

彼女が再び五箇山に現れたのは1年後。
その間交わした文通が何十通にもなって、運命の糸はその後二人をしっかり結んだようです。
都合4回も福岡から五箇山にやってきては愛を育んでいったのでしょう。

当然彼女のご両親は大反対ですわ。
何でそんな山奥の雪深いところに可愛い娘を嫁にやれますかいな。
環境も違いすぎる。
両親がどんなに説得したって、聞くような娘でもなかったようですね。

縁という物は不思議なものです。
五箇山に惚れた女は村のしきたりや、風習までも乗り越えて結婚しました。
結婚するときには実家のご両親が、何かあっても直ぐには帰れないぞと念を押したとか。

民宿というのはお客様が予約されていると急な用事が出来ても断れない。
結局大好きだった福岡のお婆ちゃんのお葬式にも出席できなかった。
遠くに嫁いでしまった時から覚悟だったはず。
お葬式も終わって2ヶ月後にやっと帰れたとか。

お婆ちゃんからも話が聞けました。
お婆ちゃんの若い頃はほとんどが村人同士で一緒になっています。
何故かと聞くと谷が深いので、当時は山の向こうの人とは知り合うチャンスすらなかった。
親がこの人と一緒になれと言われたら、例え好きでもないのに一緒にならざるを得なかった。
村の人はほとんどが親戚関係になるとか。
そこへ遙か遠い九州からの花嫁が来るというので村中は大騒ぎ。

結婚式の当日はどのような結婚式だったのか、時間がなくて聞き漏らしました。

雪の怖さを知らない娘が、五箇山の土地に馴染んで、今では立派な五箇山弁を聞かせてくれます。
明るくて爽やかで、笑顔がとても素敵な女性です。
一緒に同宿した静岡から来たご夫婦も凄く褒めておられました。

ご主人が食事の後で舞を見せてくれました。
五箇山で古くから伝わっている「麦屋節」です。
平家の落人の里らしく、武士のいでたちで舞います。
キビキビした動作を見てなるほど舞の名手で有ることは確かだった。
でも歌う方だけはからっきしダメ(婆ちゃんの話)なようです。
有名なコキリコ節も教えていただいた。

合掌造りの中は2階3階部分にはお蚕さんの部屋。
下から炊く薪の熱気で蚕を育てるわけで、その為の桟が竹で編んである。
その竹が100年、200年と燻されて出来るのが煤竹。
この煤竹を7寸5分に切って使うのがコキリコの竹。
100年間も乾燥させているからカチカチと良い音色が聞こえます。

この家のお婆ちゃんも五箇山の踊りは全て知っていると自慢していました。
民宿のお客さんが多いときは神社の前で踊って見せたとのこと。
人なつこくて優しく語りかけるので思わず聞き惚れて、写真を撮るよりお婆ちゃんの話を聞くだけでも面白かった。

合掌造りの建物の中は凄く暖かい。
広い部屋に囲炉裏と小さな石油ストーブだけ。
それでも寒さを感じません。
もっと隙間風があるのかなと思っていたけど、これは以外でしたね。
寝るとき布団にくるまると暖かい物が入っている。

「豆炭」のこたつ。
懐かしいものがここでは今でも使っている。
電気こたつとか、電気毛布ではなくてここでは豆炭こたつ。
でも朝起きて気が付いたら、豆炭こたつを何処かにけっ飛ばしていた。
それだけ部屋が暖かいと言うことでしょう。

民宿のご夫婦の3人目の子供さんは中学1年生でスキー選手。
翌日朝早く出かける用事とは、息子さんが出場するスキー大会の応援のため。
石川県で行われる東海北陸大会に回転と大回転に出場するという。
中学1年生で東海北陸大会の選手!!
夫婦が熱狂するのも分かります。
末は国体?いえオリンピックを狙うのではと水を向けると、そこまではと笑っていましたが、後日成績を聞きましたが上には上がいるようでした。

ご主人もスキーの選手でならしたとか。
蛙の子は蛙でしょう。
この民宿のご家族はとってもいい人でした。
お読みいただいた方で五箇山に訪ねる機会があれば、是非とも与茂四郎さん宅に泊まってみられる事をお奨めします。
ご夫婦から根ほり葉ほり聞くとどんな話が飛び出すか。
古い民話や五箇山の暮らしなど、五箇山に関しての苦労話が聞き出せるかも知れません。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
師匠の自伝も面白いけど、風さんのは読み応えがあって満足。
でも、奥さんの情熱には頭が下がります。
雪のないとこから、雪深い里に。
運命の赤い糸が確かにあったんでしょうね。


がんも
2005/09/09 18:11
がんもさんも同じく雪国、雪の苦労はよくわかるでしょう。
よそ者が土地の人と一緒になっても、気候風土は大違い。
実際にやっていくのは大変だったと思います。

がんもさんはところで生まれも育ちも同じ所ですか。
一度その当たりを来てみたかった。
この際取材しちゃおうかなあ\^o^/
風の旅人
2005/09/09 18:55
「五箇山に咲いた恋」
運命の赤い糸に導かれ
遠い九州から雪深い 五箇山へ
ドキドキしながら読みました

慣れない仕来りや風習や苦労も好きな人と一緒なら
幸せを感じるのでしょうね (*^−^*)

合掌造りがそんなに暖かい建物なんて思わなかった
隙間風がヒューヒューと寒くて
朝起きると部屋の中につららが下がっていると思ってました
ゆー
2005/09/09 20:27
25年前の五箇山は今とは想像も付かないくらいの秘境でした。
奥さんの話を聞いて、真冬の五箇山を想像しました。
2mを越す雪の中を船とバスを乗り継いでくるわけです。
旅好きのワテでも真冬の五箇山には、装備なしでは入れないと思っていました。

それが20代の娘さんが二人でやってくるなんて、半分嘘やろと思っても可笑しくないですよ。

運命の糸に導かれてと言いますが、奥さんの話を聞きながら、実際にあるんやなあと思いましたよ。

合掌造りの家では囲炉裏の火は、一晩中絶やしません。
冬は24時間火をたいているので、家全体が温もっています。
この家の暖房はアルバムでも紹介していますが、1個の囲炉裏と、都会で住む我々が使っている石油ストーブが1個あっただけ。

御主人が岩魚を焼いている写真でもわかるように、着ているものは都会と変わらないでしょう。
それくらい暖かい部屋でした。

ツララは翌朝起きたら、軒下に長いツララが出来ていました。\^o^/
風の旅人
2005/09/09 21:35

コメントする help

ニックネーム
本 文
五箇山旅紀行 その3 五箇山に咲いた恋 心の旅・遠くへ行きたい 1/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる